「何が問題か分からない…」を卒業。A4一枚で課題を可視化する思考整理術

あなたのチームは、濃い霧の中で迷っていませんか?

「最近、チームの活気がない。何が原因だろう…」 「とにかく忙しい。でも、この忙しさは本当に成果に繋がっているのだろうか…」

まるで、濃い霧の中を手探りで進んでいるような、漠然とした不安。 その正体が見えないまま、ただ時間と労力だけが削られていく感覚。

もし心当たりがあるなら、それは決してあなたのリーダーシップや、チームの能力が低いからではありません。原因はただ一つ。チームが今どこにいて、どこへ向かうべきかを示す「地図」が存在しないからです。

深く考え込み、頭を抱えている人物。問題点が可視化できず、漠然とした不安や焦りを感じている状態を表している。

こんにちは。『あなたの可能性を、共に解き放つパートナー』Unlock & Co.です。

優れた解決策は、優れた現状把握からしか生まれません。的外れな対策でチームを疲弊させてしまう前に、まずはその「霧」を晴らすことから始めませんか?

この記事では、どんなに複雑に見える問題でも、その構造をシンプルに解き明かすための思考整理術をご紹介します。用意するものは、A4用紙一枚とペンだけです。

霧を晴らす一枚の地図:「問題発見フレームワーク」

さあ、A4用紙を横向きに置き、十字に線を引いて4つのエリアに分けてください。

今回は、多くのチームが抱える「定例会議の空気が重く、時間ばかりかかって何も決まらない」という、よくある悩みを例に、この地図の作り方を一緒に見ていきましょう。

A4一枚で課題を可視化する「問題発見フレームワーク」の図解。理想の姿・現状・問題の構造・根本原因への問い、という4つの箱で構成されている。

【左上の箱:① 理想の姿 (To Be) を描く】

まず最初に描くのは、「問題」ではなく「最高の未来」です。 「この会議が、最終的にどうなっていたら最高か?」を、具体的でポジティブな言葉で書き出します。

  • 例: 「会議後、参加者全員が『次に何をすべきか』を明確に理解し、前向きな気持ちで自分の仕事に戻っている状態」

【左下の箱:② 揺るぎない現状 (As Is) を書き出す】

次に、理想とは対照的な「今の状況」を、感情を挟まず「事実」と「数字」だけで書き出します。

  • 例:
    • 「先月の定例会議3回のうち、2回は予定時間を30分超過した」
    • 「会議中の発言者は、部長とAさんの2名に全体の8割が集中している」
    • 「会議後のアンケートでは、5人中4人が『会議の目的が不明確だった』と回答した」

【右下の箱:③ 問題の構造 (GAP) を明らかにする】

ここが最も重要です。左側の「理想」と「現状」を見比べ、その間に横たわる「ギャップ(GAP)」を書き出します。これこそが、私たちが解決すべき「問題の正体」です。

  • 例:
    • 「チームの貴重な時間を浪費し、メンバーの当事者意識を削いでしまっている、非生産的な会議の常態化

【右上の箱:④ 根本原因への問い (Why?) を立てる】

最後に、明らかになった「問題(GAP)」に対して、「なぜ、そうなっているのだろう?」という、次への一歩となる「問い」を立てます。

  • 例:
    • 「なぜ、会議の目的が不明確なまま始まってしまうのだろう?」
    • 「なぜ、発言者が偏ってしまうような構造や空気があるのだろう?」

地図が完成した時、チームの対話が変わる

お疲れ様でした。一枚の紙の上に、あなたのチームが今どこにいて、どこへ向かうべきかが描かれた、一枚の地図が完成しました。

この地図をチームで共有することで、何が起こるでしょうか? 対話の質が、劇的に変わるのです。

「誰が悪いか」という犯人探しや、「なんとなくダメだよね」という愚痴の言い合いは、もうありません。 「私たちは今、ここにいる。そして、目指すのはあっちだ。そのために、このギャップをどう埋めるか」 という、建設的で、未来志向の作戦会議が、初めて可能になります。

あなたの可能性を解き放つ「最高の土壌」

問題の可視化とは、暗闇に明かりを灯す行為です。何に躓いていたのかが見えれば、もう怖くはありません。むしろ、そこが宝のありかを示すヒントだと気づけるはずです。

そうして生まれたチームの心理的安全性と、議論のズレをなくすことで生まれた時間の『余白』こそが、あなたのチームの可能性を解き放つ、最高の土壌となるのです。

さあ、まずはそのA4用紙に、あなたのチームの「最高の未来」を描くことから始めてみませんか?